《イスラエルによるガザ攻撃の推移》

12月20日 イスラエル軍がガザ北部を空爆、パレスチナ人1人が死亡
  24日 ガザからイスラエルへロケット弾攻撃を拡大
     イスラエルは閣議でガザ攻撃を決定
  26日 イスラエルはガザに対する燃料供給を停止

○ 27日 11時半頃 イスラエル軍がガザ地区全域へ大規模空爆を開始
《攻撃》・航空機約60機が、ハマースの治安関係施設など30カ所以上を爆撃。
    ・警察本部の爆撃で、警察長官のタウフィーク・ジャーベルが死亡。
    ・ハマースのロケット弾で、ネティボット在住の男性1人が死亡。
《動向》・バラク国防相は記者会見で「戦うべき時が来た」、「テロ関係施設」を攻撃した、
    「テロによる被害は看過できない」と述べる。
    ・シリア在住のハマース幹部ハーレド・ミシュアルが、中東の衛星テレビ局アル=ジャジーラで
     第三次インティファーダを呼びかける。
    ・EU議長国フランスと潘基文国連事務総長が、即時停戦を呼びかけ。

○ 28日(空爆2日目)
《攻撃》・ハマース系のアル=アクサー衛星テレビ局、モスクなどが爆撃される。
    ・イスラエル軍はガザとの境界沿いに地上部隊を増強。
    ・イスラエルは閣議で、予備役6千500人の招集を承認。
    ・ハマースのロケット弾が、港湾都市アシュドッドに着弾。
《動向》・エジプト、レバノン、イエメン、イギリスなどでガザ空爆抗議集会。
    ・国連安保理は、全当事者に即時の軍事行為停止を要求(報道声明)。
    ・ラファで越境を試みるガザ住民がエジプト警官隊と衝突。

○ 29日(空爆3日目)
《攻撃》・内務省、税関事務所、イスラーム大学、警察署などを爆撃。
    ・ハマースのロケット弾攻撃により、アシュケロンで1人死亡。
《動向》・バラク国防相はハマースとの「全面戦争突入」を宣言。
    ・潘基文事務総長はイスラエル軍による「過度の武力行使」を非難。
    ・イスラエル軍がレバノンを領空侵犯。

○ 30日(空爆4日目)
《攻撃》・エレツ検問所付近では30台以上のイスラエル軍戦車部隊が待機。
《動向》・東京、パリ、ロンドン、ワシントンなどで空爆への大規模な抗議集会。
    ・パリでEU外相理事会が開催される(議長国のフランスが提案)。
    ・フランスが48時間の停戦を提案するが、イスラエルは拒否。
    ・リビア、サウジアラビア、カタールなどからガザへの救援物資到着。

○ 31日(空爆5日目)
《攻撃》・イスマーイール・ハニーヤ首相の事務所などを爆撃。
《動向》・アラブ連盟で緊急外相会議が開かれ、安保理の緊急開催と、拘束力のある決議の
     採択を求める。国際停戦監視団の派遣を要請。
    ・ハアレツ紙掲載の世論調査で、国民の8割が空爆の継続を支持。
    ・燃料不足からガザ地区内の主要発電所が稼働を停止。

○ 1月1日(空爆6日目)
《攻撃》・ハマース幹部のニザール・ラヤンが自宅の爆撃で殺害される。
《動向》・UNRWAは「約75万人に緊急の食糧支援が必要」と発表。
    ・サルコジ仏大統領は、リブニ外相と会談し、空爆停止を求める。
    ・リブニ外相は「ガザで人道危機は起きていない」と一時停戦を拒否。

○ 2日(空爆7日目)
《攻撃》・モスク、ロケット弾発射施設など攻撃。ハマース軍事部門幹部を殺害。
    ・ロケット弾攻撃で、アシュドッドの市民2人が負傷。
《動向》・ハマースのハニーヤ首相はテレビで、イスラエルの攻撃停止が停戦協議の前提と
     なるとの立場を示す。
    ・国連のセリー中東和平特別調整官は、空爆で「ガザのインフラの大部分が破壊された」、
    「人道上、即時停戦が死活問題」と述べる。
    ・イスラエルは外国籍のガザ地区住民の退避を認め、ヨルダンへ移動。
    関連して「ガザにとどまることを決意した国際活動家たち」という文
     英語の原文(ISMのページより)

○ 3日(攻撃開始後8日目、地上侵攻開始)
《攻撃》・深夜、イスラエル軍の戦車部隊ら数千人が、ガザ地区へ侵攻を開始。
     ハマース武装集団などとの間で激しい戦闘が展開される。
    ・空爆と海上の艦船からの攻撃も続く。
    ・イスラエル側には27日以来、500発以上のロケット弾が着弾した。
《動向》・イスラエル首相府は作戦の目的を「ハマースのテロ設備に打撃を与え、
     南部地域の安全保障の状況を長期にわたり改善すること」と表明。
    ・ハマース報道官はテレビで「ガザはお前たち(イスラエル軍)の墓場となる」と述べ、
     徹底抗戦の姿勢を示す。
    ・米ブッシュ大統領が、空爆後はじめての見解で「紛争はハマースが起こした」と述べ、
     停戦発効に際してハマースの有効な監視を求める。
    ・ロンドン市内でイスラエルの攻撃中止を訴えるデモ行進。首相官邸に靴を投げつける。
     パリでも2万1千人がデモ行進。

○ 4日(攻撃開始後9日目、地上戦2日目)
《攻撃》・イスラエル軍は、ガザ地区の幹線道路を封鎖して南北に分断。北部で重点的に作戦を展開。
     ガザ市周辺で激しい戦闘。空爆も継続。
    ・ガザ地区から45キロ離れたベエルシェバに新ロケット弾が着弾。射程距離が延びたことで、
     イスラエル市民80万人が標的に入る。
《動向》・ペレス大統領「ガザを占領したり、ハマースを潰すつもりはない」。
    ・日本の「世界平和アピール七人委員会」がガザ攻撃中止をアピール。
    ・イスタンブル市内で20万人のガザ侵攻抗議集会が開催。イスラエルと同盟関係をもつ
     トルコ外務省は「軍事的な解決の模索」を否定。

○ 5日(攻撃開始後10日目、地上戦3日目)
《攻撃》・ガザ市内の激戦で、イスラエル軍が自軍を誤射。兵士4人が死亡。
    ・ザイトゥーン地区でイスラエル軍が民間人を建物内に誘導して攻撃。
     屋内にいた110人のうち30人が死亡。
《動向》・イスラエルの国務次官は、作戦が順調に進んでいることを強調。
    ・ハマースの報道官は、ディモナ(イスラエル国内)の核施設をロケット弾で攻撃すると威嚇。
    ・ハマースは空爆後初めて、対外交渉の代表団をエジプトへ派遣。
    ・サルコジ仏大統領はイスラエル、パレスチナ自治区、エジプト、シリアを歴訪し、
     首脳会談をもつ。

○ 6日(攻撃開始後11日目、地上戦4日目)
《攻撃》・ジャバリア難民キャンプ内の国連(UNRWA)学校がイスラエルの攻撃を受け、
     避難していた41人が死亡。国連事務総長が非難。
    ・ハマースのロケット弾が、ガザ地区から45キロのゲデラに着弾。
《動向》・ムバラク大統領はサルコジ大統領との協議を受けて、即時停戦とガザ境界の警備強化などを
     含む調停案を提示。
    ・国連安保理は、リビアの停戦決議案について公開協議を開始。
    ・アル=カーイダのザワヒリが初の声明。ガザ攻撃を「イスラームに対するシオニスト、
     十字軍の戦争の一貫」と批判する。
    ・ベネズエラ外務省は軍事作戦を非難して、同国駐在イスラエル大使と外交官を国外追放すると発表。

○ 7日(攻撃開始後12日目、地上戦5日目)
《攻撃》・イスラエル軍は、ガザ地区への人道支援物資の搬入を可能にするため、27日の大規模空爆開始後
     はじめて軍事作戦を一時停止。既定の3時間の停止後、交戦・空爆は再開した。
《動向》・イスラエル首相府は、ガザ住民に生活物資を供給するため「人道回廊」を設置する方針を
     明らかにした。
    ・ハマース幹部は調停案について「協議中」と述べ、作戦停止の間はロケット砲を発射しない
     と表明した。

○ 8日(攻撃開始後13日目、地上戦6日目)
《攻撃》・国連の救援物資を輸送中のUNRWAのトラックを、イスラエル軍が砲撃し、職員1人が死亡、
     2人負傷。
    ・イスラエル北部のナハリヤに、レバノン南部からロケット弾4発が撃ち込まれて3人負傷。
     ヒズブッラーは関与を否定。
《動向》・UNRWAが、ガザ地区での食糧輸送など一部の活動を停止。
    ・ペレス大統領は、攻撃の「目的はガザをイランの衛星地帯にしないことだ」
     「われわれは停戦ではなく、テロの撲滅を求めている」と発言。
    ・国連安保理は、ガザでの「即時かつ恒久的な停戦」とイスラエルの撤退を求める決議
     第1860号を採択(賛成14、棄権1=アメリカ)。

○9日(攻撃開始後14日目、地上戦7日目)
《動向》・イスラエルは閣議で国連安保理の停戦決議を拒否することを決定。
    ガザ地区でのハマース拠点に対する地上攻撃の継続を指示。
    ・ハマースの代表団が、エジプト調停案を協議するためカイロ入り。
    ・パレスチナ自治政府のアッバース大統領が、任期満了を迎える。
    ・国連人権高等弁務官は、イスラエル軍によるガザ攻撃での行動が「戦争犯罪を構成する」
    として、調査の必要性を指摘。
    ・イディオト・アハロノト紙掲載の世論調査で、回答者の9割が今回の軍事作戦を支持。
    封鎖解除と引き換えの停戦に8割が反対。
    ・国連スポークスマンは、イスラエル国防省との新たな安全保障合意に基づき、
    活動の早期再開を目指していることを声明。

○10日(攻撃開始後15日目、地上戦8日目)
《攻撃》・イスラエル軍は南部ハーン・ユニスのハマースの治安施設や、北部のベイトラヒヤの市場
     などを空爆。
    ・4発のロケット弾がアシュケロンに着弾、3人が負傷。
《動向》・エジプトでの停戦協議は、ラファでの国境管理や、ハマースの再武装を防ぐ方策をめぐり
    交渉が難航。
    ・アッバース議長は、エジプトの調案を拒否した場合イスラエルには
    「血の滝を持続させた責任がある」と会見で述べる。
    ・英紙タイムスは、国境管理を再度ファタハに任せるという案が欧州の外交団から出されている
    ことを報じる。
    ・ロイターは、アメリカが12月31日に借り上げた船で、ギリシアから数100トンの武器を
    イスラエルへ輸送する予定であることを報じる。

○11日(攻撃開始後16日目、地上戦9日目)
《動向》・国連学校への砲撃の問題で、イスラエル国防省が調査結果をまとめ、
誤射による民間人への被害を認める。
・10〜11日にかけて世界各地でガザ攻撃に対する抗議デモが催される。
ロンドン(11日、4千人)、東京(10日、1千500人)、スペイン全土(11日、計10万人以上)など。

○12日(攻撃開始後17日目、地上戦10日目)
《攻撃》・イスラエル軍は、正規軍に加えてガザ攻撃への予備役投入を始める。
    ・ゴラン高原でイスラエル軍に向けて銃撃があり、軍用車両が損傷。
《動向》・ハマースのハニーヤ首相はテレビ演説で「我々の勝利は近い」
    「ガザは陥落することはない」と強気の声明を出す。また「停戦に向けたどんな発案にも
     責任をもって応じる用意がある」と述べる。

○13日(攻撃開始後18日目、地上戦11日目)
《攻撃》・イスラエル南部のヨルダン国境付近で、国境警備のイスラエル警官に
     対してヨルダン側から銃撃。ヨルダン軍は関与を否定。
《動向》・イスラエル軍のアシュケナジ参謀総長は、国会の国防・外交問題委員 会で、
     ガザ地区への先月27日の攻撃開始以来、計2300回以上の空爆を行ったと発表。
     「するべきことはまだ残っている」と強調。
    ・ハマース代表団はエジプト政府との協議で、トルコの調停を受けて
    トルコとフランスによる国際監視団の派遣を含む、停戦案の条件付き受け入れに
    前向きな姿勢を表明。
    ・トルコでガザ侵攻に反対する男性が、抗議の焼身自殺を図り重傷。

○14日(攻撃開始後19日目、地上戦12日目)
《攻撃》・空爆開始以来のパレスチナ側の死者は985人、負傷者4500人(AFP)。
《動向》・国連の潘基文事務総長が、難航する停戦交渉を促進するため、
    カイロに入る。ヨルダン、イスラエル、シリアを歴訪する予定。


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