知ってて便利なアラビア語(パレスチナ・ヨルダン編)


*けんか*

私は別に、アラブ文化の、アラブ人のすべてが好きなわけではありません。
むしろ過度なフレンドリーさや、日本人から見れば「働かない」なまけぶりなどに
腹が立つこともしきりで、実際、よく声を荒げて喧嘩をしてしまいます。(^^;
アラビア語を積極的に覚える気になったのも、けんかするとき自由に言葉が出てこない
悔しさから、といっても過言ではないかもしれません。(どうしようもなく負けず嫌いなこの性格・・(笑))
けんかしなくて済めばもちろん、それに越したことはないですが、
どう考えてもあちらのほうが悪いときは、(特に女性、からまれたときなど)
こんなフレーズも使ってみてください。

*道端でちょっかいを出されてむかついたとき*

”一体何の用?”
 「エーシュ ビッダク?(esh biddak)(女性に対しては「ビッディク」)」

からかわれる理由?
アラブ諸国で東洋人、しかもスカーフもかぶらず一人で歩いてる女の子は珍しいので、
それだけで目を丸くしてこちらを見つめ、「プスプスプス(pspsps)」と口ずさんで注意を引こうとする 人にはごまんと遭遇します。
(猫とか赤ちゃんとか、言葉を解さない、と思われる対象に呼びかける際、共通に用いられる表現のようです)
それだけならいいけれど、もっとエスカレートすると、今度は「スィーニー!(アラビア語で中国人のこと)」「ジャパニーゾ!(英語でいうジャパニーズがアラブ風になまってるらしい?)」などといきなり叫んで呼びかけてきたり・・・ 
最初はけっこう面白がったりできるもんですが、急いでるとか、こちらの機嫌が悪いときは、そんな態度も失礼に感じ、いらいらしてしまったりするものです。そんなときに便利なこのフレーズ!

「エーシュ ビッダク?(esh biddak)」は純粋に「何が欲しいの?」と問う言い方なので、お店に入ったときなど「May I help you?」ののりで店員さんに言われるフレーズでもあります。でも言い方を変えれば内容も変わるのは、日本語と同じ。
ちょっと低めの声で、相手をぎろっとにらんで吐き捨てれば、「なんか用?」というニュアンスになり、軽い気持ちで声をかけてきた男性は、ぎょっとして言葉を失う、こともあります。

同じ内容を表す表現で「シュー ビッダク?(shu biddak/biddik)」というのもあり、 (語義としては「シュー」も「エーシュ」も「何」を表す方言の表現。フスハーだと「マーザー」にあたる)こちらはもっと単刀直入で、きついイメージがあるようです。
ごく親しい家族の間 などでは使っても失礼にならないけれど、相手をよく選びたい。「何か用?」くらいの意味か。

返事にへらへら笑いながら「ワライシ(wala ishi)」(語義通りに、nothing の意味)などと言って返してきたら、次の表現に進みましょう。

”馬鹿にしないでよね” 「トゥドゥハクシ アレイ、 アイブ」
「トゥドゥハク」だと単に「あなたが笑う」という意味だけど、「トゥドゥハク アラ(人)」となると、誰かのことを馬鹿にして笑うことを意味します。なのでそこに否定の語尾「シ」をつけて「笑わないで!」という表現。
「アイブ」とは「だめなこと、してはいけないこと」ということで、イスラームで禁じられていること「ハラーム」より宗教色が薄く、庶民的な表現。(お母さんが子どもに「だめよ!」と言うときなども使われる)発音がやや難しく、アラビア語独特の、喉の奥を大きく開いてうなるような「ア」の音が冒頭に来ます。「イ」は弱く、添えるように。「ブ」は不通に「b」の音で。

”なんで私のことをそうやって笑うわけ?”「レーシュ トゥドゥハク アレイ ヘーク、 アー?」
「レーシュ」は「なぜ?(why)」の意味。「ヘーク」とは「こんな風に、こういう風に(like this)」(エジプト方言でいうと「ケダ」ですね)。 最後の「アー?」というのは、単に感嘆詞なので、感情込めて言ってやってください。(「なんだよお前、なんか文句あんのかよ、あー?」の「あー?」と一緒です。)

ここでまだ、なにかごちゃごちゃと言い訳しながらも、へらへらこっちを見てるようなら、次へ進みましょう。

”分かったからもう黙って”「タイイブ ウスクト」
「ウスクト」とは「黙れ!(shut up your mouth!)」という意味。「タイイブ」は「良い」の意味ですが、ここでは「もういいから」といったニュアンスになります。基本的には相手を黙らせたいときは「ウスクト」と怒鳴るのが基本ですが、あとはどれだけ’はく’を効かせるか、アラビア語がしゃべれそうに見せかけて、「そこらへんの外国人と違うんだよ、なめるんじゃないよ!」という雰囲気を出すのが大事。
なのでバリエーションとしては、
”黙れって言ってんの!” 「ウスクト バクーラク!」 とか、「ウスクト ヤー ハラ!」なんかが考えられます。「ハ」の音は、うがいをするときのような喉の奥がこすれる音を強く出して発音してください。

”もうやめて!” 「ハラス」
「イフラス!ヤザラメ」”やめな、この野郎!” ”いい加減にしてよ この馬鹿!” :「イフラス ヤー ガビー!」 ”私から離れなさい!” :「イブイド ミンニー」 ”あっち行きな!” :「ルーフ(女性に対しては「ルーヒ」) ヤザラメ」 ”いいから聞きなさい” :「イスマア(女性に対しては「イスマイ」)!」 ”そんなこと言うのは失礼よ” :「インタ ムシュ クワイイス タフキーリー ヘーク」 ”あなたのせいで怒ってるの!” :「アナー ザアラーン ミンナク」   inserted by FC2 system