同時多発テロ 掲示板記録3
3. 過去の戦争から何を学ぶか?
24 そうでしょうか? 宇治 一 2001/11/09 10:49
> 戦争には正義も加害者も無い。個人としての犠牲者がいるだけだ」
はたしてそうでしょうか?
戦争とは私闘とは違います。外交上の話し合いで結論が得られない場合の外交手段の1方法でしょう。
経済政策でもそうでしょが、税制の変更によりとある個人が損をした得をした。個人としての犠牲者がいるだけだ
などと論議しますか?全体としてよりベターな方策ととっていることが重要なのでは?
> 我が家の家訓で蔵の中から武器を取り出して使ってはいけないことになってます。
> 昔、乱暴者がいてご近所に迷惑かけて駐在さんに怒られました。またそうなったら
> 大変なことになるんで、武器持って自警団には参加できません。自警団の人員も足
> りてるようですし。
"日向さん""ゆりこ"さんもともに述べておられますが、これではやはり日本側の意見の域を出てないと思いますが・・・
他国からみてやはり自らは汚れずに都合の良い事を言っているに過ぎないでしょう。
いみじくも「昔乱暴者」とのくだりがありますが、ここが現在の混乱の発端でしょう。
昔の乱暴とは何のことでしょう?おそらく2次大戦までの事とは思いますが、
その当時の日本と現在、軍を出している欧米諸国と何が違うのでしょう?
彼らは地球上のあらゆる土地を植民地化し、日本が韓国などで行ってきた以上の搾取を行っています。
その点に関して一度でも謝罪したのでしょうか? 日本は繰り返し繰り返し謝罪しています。
それでも日本のみ乱暴者で、いつまでも過去にとらわれるのでしょうか?
あまりにも過去を否定し恐れていませんか?
確かに軍部の独走はありました。しかし今の日本においてそのような事が起こるでしょうか?
文民統制の確立した日本において。もしそうなりそうなら止めるのが我々です。
あまりに怖がり過ぎていませんか?もう少し過去の事実を見つめ直しませんか?
加えて両手両足を縛ったような状態で、自衛隊を無能呼ばわりするのはどうかと思います。
また、日本は本当に戦争をしないリスクを覚悟していますか? 戦争そのものにアレルギー体質になって、
ヒステリックに戦争反対と叫んでいるだけではないでしょうか?10年前のクェートは突如イラクに
攻め込まれました。常に備える必要でしょう?起こってからでは遅いのです。法整備は絶対に必要です。
もし占領されたらそれだけ死人が出るのです。そうならない用に備えるのは当たり前でしょう。
リスクとは攻め込まれても死人が出ても我々は戦争をしないこれだけのリスクを意味するのでは?
(かのガンジーの非暴力非服従を国家単位で行い、それにともなう甚大な被害、死者、犠牲者がでる覚悟
それに伴う不公正、不自由を甘受する覚悟があるのでしょうか?
戦争を放棄するとの理念は立派です。しかし他国には関係のない事です。こちらが放棄したから相手も
放棄しなければいけない理由はどこにもないのです。蜂蜜漬けの思考から脱却すべきです。
理念、理想より現実の方がこの際意味あるものだと思いますが?
いささか感情的な語調になっている事は心よりお詫びします。
私の現状への危機感の現れだと思っていただけると幸いです。
25 返答になってないかもm(__)m 日向新也 2001/11/09 17:46
国家レベルで・・・
クラウゼビッツも言っているように、戦争とは軍隊をもってする政治の一手段でしょう。
でっ 外交とは国益をかけた戦いと考えます。であればそれは善悪で行動するのではなく、
冷徹な国際戦略によって行われるべきでしょう。
「正義だから戦争する」「悪だから戦争しない」じゃなくて「国益になるから戦争するor戦争しない」でしょう。
国際外交の(建て前でなく)本音は正義とか悪ではなく、国益から導き出された国家戦略ではないでしょうか。
(建て前としての自己の正義は主張しますけど)
個人としては・・・
結果として個人が受ける戦争の悲惨さは、書くまでも無く分っていただけるでしょう。息子は正義のために戦死した。
と言われて納得できる母が何人いるでしょう。わが国が悪だから貴方の家族が空襲で亡くなってもしょうがないよね。
と諦められるでしょうか。
日本が加害者だって言いますけど、原爆や東京大空襲は米国が加害者でしょう。大陸への植民地侵略は日本が
加害者ですが、引上げ者の悲惨な状態は被害者とも言えるのでは。まっ自国民にそんな悲惨な体験を2度とさせない
ための外交戦略であるべきでしょう。
「時の流れの中から
戦争という名の網で掬えるのは
悲しみという名の魚だけ」
*****
過去の問題について自分はある意味"宇治"さんと同じ意見です。歴史的に(現在も)国際関係は弱肉強食で、
過去を日本だけが責められる筋合いは無い。と思ってます。
「汚れる」っては具体的にどう言う事でしょう。日本も軍隊を出すことが汚れるってことですか。西欧米国は
汚れなさいって言ってるかもしれませんが、同じ外国でも中国韓国等も日本はもっと汚れなさい、軍隊出せって
言うでしょうか。
再軍備するかどうかは、国家戦略としてどうなのか。って問題でしょう。当然理念理想だけじゃ戦略にはなりません。
最初に書いたように国際関係は正義とか悪とかでは無く、国益を根底にした国際ビジョン国家戦略の戦いでしょう。
その結果として憲法をどうこうしよう。と言う話になっていくべきと考えます。
だから今回の自衛隊派遣にしても、他国の批判とか評判が、こうだから派遣する。とかって言うのじゃなく、
ちゃんとした国家戦略も無く、ただ派遣するために派遣するような今回の立法は9条の問題をうやむやにした
場当たり的な対策でしかなく。どちらの立場の人にとっても大きな危惧を残すのでは。であるから、
今回の(米国支援)自衛隊派遣には賛成できないと言うことです。
またこのような場当たり的な対策を重ねているから、次回、同じような問題が起こったときまたスッタモンダシテ、
外国から嘲笑されるのでは。(湾岸戦争の時も今も同じような茶番劇でホントに学習効果ないって感じですよね)
最後に、個人的には自衛隊は実戦経験というハンディを除けば無能どころか世界有数の優秀な集団と考えていますよ。
(内容には関係ありませんが、自衛隊の名誉のために一応書いておきます)
有難うございました。
今後とも宜しく御願致します。
26 本題 宇治 一 2001/11/10 10:37
> 外交とは国益をかけた戦いと考えます。であればそれは善悪で行動するのではなく
> 冷徹な国際戦略によって行われるべきでしょう。「正義だから戦争する」「悪だから
> 戦争しない」じゃなくて「国益になるから戦争するor戦争しない」でしょう。
まさにそのとうりです。全面的に同意見です。賛同いただけて嬉しく思います。
しかし今回の件は主権国家間の戦争ではありません。今回に関しては明らかに正義と悪との戦争と思いますが?
あと"錦田"さんのテロへの考え方には非常に疑問です。「テロの撲滅」とは「テロを行う集団の撲滅」に他ならない
でしょう。なぜこれが報復なのでしょうか?
> 「テロ行為そのものが、世界中を激怒させる行為だ」という認識を植え付け、
> 最終的には、「テロ行為では(自分達の都合のよい)世界には変えらない」という
> 事実を後世まで知らしめること
この意見は非常に意味のある最も重要な事だと思いますが?この部分を理解しないとテロ容認という結果に
なりはしませんか?
またこれは格好が良いとかどうとかより、究極に目指さなければいけない目標でしょう?失敗したら反動が恐いとか
言う次元ではないと思いますが?
また「テロ」を許さない姿勢とは誰の姿勢ともありましたが、もちろん私たちの姿勢です。何が疑問なのでしょうか?
今回の自衛隊派遣法案も不満はありますが、うやむやになし崩しに決まったものでもないと思いますが?
ちゃんと衆参両院で過半数の賛同を得て成立した法案です。与党の独断専行との批判もありましょうが、
与党を与党たらしめているのは私たち国民です。その意味においても問題はないでしょう。何も全員が賛成する必要は
ないでしょう?全体の51%の賛同があれば良いでしょう。これが民主主義の大前提でしょう。
少数意見を切り捨てる訳ではありませんが、過半数以下の意見のために過半数以上の意見が必要以上に妨げられるのは
、それこそ民主主義の原則に反する行為だと思いますが?まして今回は急を要する案件だと思いますが?
また「カタをつける」方法が軍事力なのは、そもそもタリバンが選んだ道でしょう。自ら交渉する意志を放棄した
ものでしょう?今回のテロは?これに対して話し合いでというのもあまりに相手に譲歩してませんか?
私はこれすらもテロに対する容認と考えます。
テロにたいしては毅然と一切の要求は聞かない。テロという行為では歴史は変わらないという姿勢こそ重要と
おもいます。"錦田さん"の意見を私が誤解しているならばこの場で謝罪しますが、今回の内容はあまりにも
疑問でしたので。
*****
ちなみに私例えで使っている「汚れ」とは、人的被害を出す覚悟があるか?ということです。最終的にここが
信頼を得るかどうかの分岐点だと思いますが?
中韓は極度に日本再軍備に反対するでしょう。しかし民間レベルはともかく政府レベルでは、日本に対する脅威より
外交カードとしての意味合いが強いと思いますが、それはそれで両国の外交力には一目置くところもありますが。
いずれにせよ人的貢献をしてこそ、真の意味で世界での信頼を得る事ができるでしょう。 それこそが国益であると
考えます。何かおかしいですか?
27 宜しく御願致します。 日向新也 2001/11/10 15:08
マイクを離さないで独りで何曲もカラオケ歌ってるオヤジみたいな心境です。
(現実の自分がそうなんですけど(゚o゚))
スイマセン冗談はさておいて、
先にも書いたように正義とは主観的相対的なもので、100人いれば100人の正義があり、100人の悪があると
思います。我々はこちら側ですから米国に正義がると思ってますが、あちら側ではあちらなりの正義があるの
でしょう。(多分?)
主権国家間の戦争じゃない。って言うのは一寸分りません。どなたか教えてください。
北部同盟とは国内問題でしょう。チェチェンやチベット問題は国内問題だって主張してますよね。それと同じと思いますけど。
でっタリバン・タリバンと報道してますが主権を代表するアフガニスタン政府は何処にいったんでしょう。米国の攻撃以前までは
ありましたよね。
「テロの撲滅」は「テロを行う集団の撲滅」だけじゃないと思いますよ。書かれてあるとおりテロに屈しないと
言うのは必要な最低条件でしょうが、充分条件じゃないと思います。
自分は3段階の対策が必要ではないかと書きましたけど、テロにいったった背景から絶たないと、根本的な対策とは
いえないのでは。対症療法だけじゃまた再発するのではないでしょうか。
テロを容認はしませんが、何故自爆までしてテロせざるを得ないのか。皆さんはこの辺をどう思われますか。
(まさか個人的な趣味じゃないでしょう)
老婆心なんですが、何処の国とは特定しませんけど(中国やロシアを始めてして何カ国か)、「テロ撲滅」のスローガンの元、
今以上に弱者の少数意見が踏みにじられることが無いか心配です。
代議制民主主義って政治家を選んでしまったら、後は政治家の好き勝手に国会で決めてくださって結構です。って言う
事なんでしょうか。(これが投票率が下がってる一要因では?)
人的被害を出す覚悟。ですが、今の憲法でできるんでしょうか人的被害を出すような支援が。今の所謂派遣法での
人的派遣が、世界の信頼を得ることが出来るような派遣なんでしょうか。自分には勉強不足でこの辺ドウなのかは
チョット分りません。
*****
話題変わってしまいますが、この場をお借りして教えてください。
皆さんは今回の事件で日本政府の首相だとして、どうゆうふうに対応します。所謂派遣法がベターな対応だったと
思いますか。
自分は以前書いたように米国への支持を表明しつつ、日本の事情をはっきりと世界に述べ、金だけでなく広く
ボランティアや民間からの有志も募って周辺国や難民の援助、復興に全力を尽くすべきと考えます。(この場合現行法でも
自衛隊派遣できるでしょう)
国内的にはアピールのとおり、これを良い機会として日本の国家戦略をきちんと議論して形成し、その結果によっては
憲法にも手をつけるように議論したいと思います。
小泉さんの選択がベターだという人もいるでしょうね。でも次回同じような国際紛争が起きたときもまた、スッタモンダシテ
時限立法でお茶を濁すのでしょうか。
もしよろしければ皆さんのご意見も聞かせてください。
では失礼いたします。有難うございました。
28 テロの撲滅 ゆりこ 2001/11/10 21:02
マイクお借りします(^^)
> > 「テロ行為そのものが、世界中を激怒させる行為だ」という認識を植え付け、
> > 最終的には、「テロ行為では(自分達の都合のよい)世界には変えらない」
> > という事実を後世まで知らしめること
> この意見は非常に意味のある最も重要な事だと思いますが?
> この部分を理解しないとテロ容認という結果になりはしませんか?
イスラエル-パレスティナ間の衝突が激化してから、現首相のシャロンさんが「テロには決然とした態度で臨む」
というスローガンでテロが起こるたびに圧倒的な軍事力で攻撃して抑えようとする政策を取ってますよね。
しかし、軍事力による制裁が利いてテロが少なくなったのかといえば、決してそうではないし、
パレスティナ人一般市民の世論調査でも
テロ支持の意見がむしろ増えているんですよね。
軍事攻撃によるテロ対策を否定すると「理想論」とか「ユートピア的」とか言われるけど、軍事攻撃でテロ撲滅が
できると考えてしまう方が現実をあまり直視していない楽観論のような気がするのです。
> しかし今回の件は主権国家間の戦争ではありません。
> 今回に関しては明らかに正義と悪との戦争と思いますが?
「正義と悪」は主観的なものだと思うので踏み込めませんが、主権国家間の戦争ではないという見方には宇治さんに
同意します。で、国家の軍隊がテロリストを相手に戦争をしたら、軍隊は相当不利だと思うんです。
だって、軍隊には規律があり、しっかりした指揮系統の中、ルール内で行動することを求められます。
他方、テロリストは世界中に散らばっており、指揮系統はひとつではないし、共通のルールなどない。
全てのテロリストが共通の利益を目指しているとも限らない。(だから攻撃目標や行動がちっとも予測できない)。
そのうえ一般人とテロリストの見分けも難しいし、一般人がテロリストに変わる境目を事前に知るのはもっと
難しいのではないでしょうか。
だからこそ、テロの原因を探り、その原因を取り除くようにすることは理想論でもテロの容認でもなく、
軍事攻撃より少ない被害で効果をあげると考えられる現実的なテロ対策だと思うのです。軍事攻撃に賛成の方は、
今回の軍事攻撃の効果と日本の自衛隊派遣による貢献(による国益)をあまりにも安易に信頼しすぎているのでは
ないかな、と思うのですが・・・。
> また「カタをつける」方法が軍事力なのは、そもそもタリバンが選んだ道でしょう。
空爆の脅しがかけられた後、タリバンがビンラディン氏に出国勧告を出しましたよね。私は「タリバンが選んだ道だ」
と簡単に言い切れるとは思わないんです。この攻撃で「カタがつく」問題だとは思わないですし。
> 自ら交渉する意志を放棄したものでしょう?今回のテロは?
> これに対して話し合いでというのもあまりに相手に譲歩してませんか?
少なくともテロを起こしたのはタリバンではないということは確かだと思うのですが・・・
(テロリストと「疑われている」人間を匿っている政府ではありますが)。
> 自衛隊を無能呼ばわりするのはどうかと思います
無能呼ばわりしたつもりはないんです。ただ、派遣される自衛隊員は、今回のような任務を想定した上で募集され、
訓練されてきた隊員なのでしょうか。出発を命じられた自衛隊員のインタビュー記事を読んでみても、
これは甚だ疑わしいと思います。その自衛隊員をそれこそ
> 加えて両手両足を縛ったような状態で、
派遣したことに反対なのです。
> 与党を与党たらしめているのは私たち国民です。その意味においても問題はないで
> しょう。
確かにそうですね。今回の法案の成立を「うやむやになし崩し的に」と非難するのは、日本国民である責任から
逃げてるのかもしれません。
だからこそ、
> これを良い機会として日本の国家戦略をきちんと議論して形成
する必要があるのでしょうね。
あと、私が戦争否定のリスクと書いたのは、「全ての戦争の否定」というところまで行っていなくて、
今回の軍事行動に対して支援するかしないかということです。言葉が足りなくて申し訳ありませんでした。
日本国土の自衛戦までも含めてすべての軍事行動を否定すべきなのかどうかは、未だ勉強不足なので
意見が言えません。
*****
> 理念、理想より現実の方がこの際意味あるものだと思いますが?
私は「現実的」な意見を書いてきたつもりですし、私の意見も、現状へ危機感から出たものであることには
変わりはないことを理解していただきたいのですが、書き方がまずいのか、内容が甘いのでしょうか・・・。
> 皆さんのご意見も聞かせてください。
私の考えた対応方法は、だいたい日向さんと同じですが、もすこし具体的なので書かせて頂くと、テロに対して
断固戦う姿勢、被害を受けたアメリカに、憲法の枠内でできるだけの支援を惜しまないという姿勢を
(うまいパフォーマンスで効果的に)示す。一般人の希望者がアフガニスタンに救援活動に行けるように、
それなりの資格と経験が認められる人には、現在の職場を安心して一定の期間休むことができるように国が保障
(休職・給与・保険など)する制度を作って公募する(「青年海外協力隊」の希望者の多さを見れば、
機会さえあれば、保障さえあれば行きたいという希望を持っている人は少なくないはず)。
情報をしっかり収集して提供し、あくまでも自発的希望者に自己責任で行ってもらうので、
アフガニスタンに行く人の命の危険に対して国として責任を持つことはないが、保障の枠組みを国が作ることで、
国としての人的支援の姿勢をアピールできる。現在活動中のNGOにも支援金を出し、効果的に救援活動ができる
ような環境作りをする。テロ対策のシンクタンク(予防や事後処置、政治情勢の研究など)を設立するか、
もし既にあるのならば、金銭的な支援をする。
いまのところ、思いついたのは、こんな感じです。
しかし、もう軍事行動が始まって1ヶ月以上経つし、自衛艦も出航してしまった今、日本国民、もしくは
ひとりの市民として現状にどう対処したら良いと考えていらっしゃいますか?
軍事攻撃賛成派の方も反対派の方も、ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
マイクお返しします。
お耳汚しで失礼致しました。
29 反応がやや遅れました 錦田愛子 2001/11/11 05:11
内容の更新と共に、見やすく使いやすいページに改善しようと、慣れないHTML書式やFTPと格闘していたら、
肝心の内容の方の反応が遅れてしまいました。(^^;)
ごめんなさい。
戦争は国益のために政治の一手段として行う。ただし今回は主権国家同士の「戦争」ではない。
(この点では"かずよ"さんの「次元」の話がうまくまとまってると感じます)「正義」も「悪」も(これらは対のもの)、
主観的に定まり、かつ戦争においては政治的に決められるため、固定的な概念ではない。
以上が私の基本的な立場です。
で、議論としては、まずはご指名のあった論点から私の意見を述べさせて頂くと、
> 「テロの撲滅」とは「テロを行う集団の撲滅」に他ならないでしょう。
> なぜこれが報復なのでしょうか?
> > 「テロ行為そのものが、世界中を激怒させる行為だ」という認識を植え付け、
> > 最終的には、「テロ行為では(自分達の都合のよい)世界には変えらない」
> > という事実を後世まで知らしめること
> この意見は非常に意味のある最も重要な事だと思いますが?
前の記述は言葉足らずでした。
「> >」引用部の"宇治"さんの意見には、私も強く賛同します。
ただ、個別対応としては「テロの撲滅」には「テロを行う集団の撲滅」を目指さないといけないかもしれませんが、
長期的にはテロの育つ温床を潰さないことには場あたり的な対処に留まる、ということが言いたかったのです。
(「報復」という言葉を使ったのは、加えて「犯人特定プロセス」のことを考え合わせると、 どうもアメリカの
私的制裁の色合いが強いのでは?と感じてしまったためです(話が元に戻ってしまいますね))
テロを断固として許すべきでないのは確かで、失敗を恐れて手を引くべきでないというのも確かです。ただ
がむしゃらに、目の前の敵を倒すだけだと「モグラ叩き」だと言ったまでです。詳しい議論は"日向"さんがされて
いるものにほぼ賛同です。
" "さん( )> また「テロ」を許さない姿勢とは誰の姿勢ともありましたが
"宇治"さん( )> もちろん私たちの姿勢です。 何が疑問なのでしょうか?
その「私たち」とは誰か、が問題なのだと思います。
"宇治"さん( )> ちゃんと衆参両院で過半数の賛同を得て成立した法案です。与党
> の独断専行との批判もありましょうが、与党を与党たらしめているのは私たち
> 国民です。
同上> 全体の51%の賛同があれば良いでしょう。 これが民主主義の大前提でしょう。
"日向"さん( ) > 代議制民主主義って政治家を選んでしまったら、後は政治家の
> 好き勝手に国会で決めてくださって結構です。
> って言う事なんでしょうか。
つまりは間接民主制の是非を問う、「民主主義」の大論点ですよね。明確に結論が出るわけではなく、
よりベターなやり方を捜すしかない、という話になりそうで、この点について本質的な議論をするのは、
実はあまり気が進まないのです。(議論を呼びかけておきながら、すみません!でも本当に、この議論についての
考え方は既に出尽くしているように思えてしまいます。スタンダードな考え方の紹介としては、
杉田敦『デモクラシーの論じ方』ちくま新書(2001年)がよくまとまってると思います)
今回の法案、安全保障の問題に関して、という限定を課して、どういう手続きを個別に取るべきか、
という議論はもっと生産的になると思うのですが…
ただ、これだけは言えるのは、「民主主義」の「制度」に乗って決められた物事が必ずしもいつも「実体」的に
「民主的」な決断とは限らない、ということです。独裁国で、見せ掛けの民主制度を持つ国はいくらでもあります。
日本がそこまで歪んでいるとは言いませんが、ただそうなっていないか常に厳しく敏感になっている必要はあると
思います。
そして今回の審議は、私個人の感覚と情報からすると、あまり民主的な実体を伴った審議とは思えなかったので、
不満を持っています。(政府に対しても社会に対しても)
もちろん、ご指摘のように「急ぐ」という話もあるでしょう。でもそれはつまり、「今回は」ということですよね。
それでは今後の有事対策の議論は、もっと国民に広く議論を喚起する、開かれたものになるでしょうか?
いや、我々の手でそうすべきなのでしょう。
今後に期待しなければなりません。このページを法案通過後も続けているのはそのためです。
*****
それから他の論点としては、
> 昔の乱暴とは何のことでしょう?おそらく2次大戦までの事とは思いますが、
> その当時の日本と現在、軍を出している欧米諸国と何が違うのでしょう?
植民地時代の人権侵害(と呼ぶのもおこがましいレベルの話だと思いますが)については、少し前に
アフリカでの会議 で見直しが取りざたされ、まさに旧宗主国と植民地国の間の対立が浮き彫りになりかけていました
よね、たしか。イスラエルとアメリカがパレスティナ問題であまりに話がこじれたので、そちらの印象の方が
強くなってしまいましたが。
日本だけの問題ではない、というのはまさにそうで、"宇治"さんの指摘は正しいと思いますが、ただ私はその
「弱肉強食」を肯定する気はありません。むしろ「過去の悪行を多国はどのように乗り越えてきたか」という点で、
日本は他の国に学べると考えています。特に第2次大戦がらみではドイツでしょうか。この点に関しては、
現在個人的に、ドイツ研究者の方にドイツの再軍備の過程について、仔細をお尋ねしているところです。
> あまりにも過去を否定し恐れていませんか?
> 確かに軍部の独走はありました。しかし今の日本においてそのような事が起こる
> でしょうか?文民統制の確立した日本において。
「アレルギー体質」になって問題そのものから逃げている、というのは私も感じます。だからこの際、
有事法制についても審議した方がいい、と思います。でも、「文民統制の確立した日本」というのを必ずしも
言い続けられるか、「文民」である我々は目を光らせておく必要があると思います。「文民」の中での暴走だって
あり得ますし。「止めるの」は「我々」なんですよね、確かに。
> 加えて両手両足を縛ったような状態で、自衛隊を無能呼ばわりするのはどうかと
> 思います。
「日本の自衛隊は果たして優秀なのかどうか?」というのは、そもそも自衛隊の存在に賛成か反対か、
といった立場に基づいて評価そのものがいつも歪められている議論のような印象があります。
私自身は、この問題に関して、基礎知識が欠けているので語る言葉を持ちません。ただ、参考になりそうな本が
いくらか、ごく最近、『宝島社』から出ているようです。もちろん、出版社の特性等、考慮に入れる必要は
あるでしょうが。
*****
あとは事実認識の問題として、
> でっタリバン・タリバンと報道してますが主権を代表するアフガニスタン政府は何処にいったん
> でしょう。米国の攻撃以前まではありましたよね。
その「政府」が「ターリバン」ですよね。いちおう現在も、正式なアフガン政府だと思います。
アメリカが「テロリスト(ビン・ラーディン)のパトロン」→「テロ集団」と命名をエスカレートさせたので、
とっくに「正当性」は剥奪された感じですが。(まあそもそも、軍事力で制圧した「正当」政府なので
そこからして「正当」じゃない、という話はありますが、でも少なくとも「公式」政府だったと記憶しています)
> また「カタをつける」方法が軍事力なのは、そもそもタリバンが選んだ道でしょう。
ここも話の正確さを期するため、注意が必要だと思います。
なんだか混同され始めているのですが、そもそもアメリカが逮捕・摘発しようとしていたのはビン・ラーディン
であって、ターリバンはその「犯人隠避」の罪に過ぎない。(「幇助」も含まれるかも)つまりは
間接的に「助け」てるだけで、同じ犯罪実行の「共犯」ですらありません。
例えば殺人犯を匿った個人が、国内法で殺人罪とほぼ同じ量刑を課されるかというとそうではない訳で、
そこまでアメリカが「ターリバンを」目の敵にする正当性、口実はどこにあるのか?という話は重要だと思います。
ちなみに「汚れる」の話は、私はまさに「血で汚す」ことだと思ってます。つまり、軍隊を送って前線に立つ、
ということを直接的には指しているのでしょう。それから勿論、その「痛み」を受け入れる政府と国民の姿勢の確立、
つまりは覚悟が必要、という話なのでしょう。
> 一般人の希望者がアフガニスタンに救援活動に行けるように、それなりの資格と
> 経験が認められる人には、現在の職場を安心して一定の期間休むことができるよう
> に国が保障(休職・給与・保険など)する制度を作って公募する。
> 保障の枠組みを国が作ることで、国としての人的支援の姿勢をアピールできる。
こんなの本当は、今回のテロがなくてもとっくの昔にやってなきゃいけないことなんですけどね… (^^;)
いかに日本政府が市民活動を軽視しているか、こんなときに目立ちますね。情けない
> 人的被害を出す覚悟。ですが、今の憲法でできるんでしょうか人的被害を出すよう
> な支援が。
「あってよいのか」「可能なのか」どちらにも取れますが、とりあえず最近の法曹界での議論は
どうなっているのでしょう? ご存知の方があれば、是非教えて下さい。
> 皆さんは今回の事件で日本政府の首相だとしてどうゆうふうに対応します?
究極の質問、という気もしますが…(^^;)
たしかに批判をする以上はオルタナを出さないと生産的ではないですよね。
まだ頭がまとまらないので、個人的にはもう少し考えてみます。
ただ、今回の対応にしても、「スッタモンダシテ時限立法」のようではあっても、決して今後の対応と無関係では
ありません。しっかり「先例」となるわけで、法律的にも、実績としても今回の派遣は今後に持つ意味大だと
いうことはよく認識する必要があると思っています。
> あと、私が戦争否定のリスクと書いたのは、「全ての戦争の否定」というところまで
> 行っていなくて、今回の軍事行動に対して支援するかしないかということです。
> 日本国土の自衛戦までも含めてすべての軍事行動を否定すべきなのかどうかは、
> 未だ勉強不足なので意見が言えません。
私は個人的には、「全ての戦争」を視野に入れていい議論だと思っています。というか、むしろそちらの方が
大事なのでは?
日本が軍事行動への拘束をどの範囲で考えるべきか、という議論については面白そうな本を見つけました。
佐瀬昌盛『集団的自衛権:論争のために』(PHP新書,2001年5月)
あと今回の文脈とはやや異なりますが、他国領土にいかに合法的に外国軍が進撃できるか、という観点から
参考になると思われる本で最上敏樹『人道的介入:正義の武力行使はあるか』(岩波新書,2001年10月)
というのをご紹介しておきます。
(いずれもまだ読みきってないので、内容の評価はできません。すみません)